早期退職制度を利用して、起業をしたけれど、いろんな心配事がある…。
これから起業をしようと思うけれど何から手をつけたらいいのか…。
そういう人もたくさんいるのではないでしょうか。
一般退職より退職金が優遇されているので資金面では少し有利な状態ですが、甘く見てはいけません。
ある程度の準備や心構えが必要なのです。
実際50歳で早期退職・起業したzeronuko(ゼロヌコ)が起業後に「やっておけばよかった」「これをやってよかった」の2つの側面から分かりやすくお伝えします。
自分の強みを生かして独立起業する人、私のように全く経験のない業界に飛び込む人、どちらにも当てはまることでしょう。
起業前後に考えて実行することで漠然としていたことが明確になればうれしいです。
資金繰り、大丈夫?
経営に必要な要素は「人、モノ、カネ、情報」の4つと言われています。
経営資源とは、企業や団体の成長を支える、いわゆる「ヒト」「モノ」「カネ」、そして「情報」(知的財産)などの無形資産の総称である。
IT用語辞典バイナリWeblio 2021年9月5日利用
その中でもまず最初に「お金」に注目!
分かり切ったことですが、お金があるからこそ経営ができる、なければ倒産です。
お金が土台。これが現実です。
お金に困ることのないようにするには、「融資」を視野に入れることです。
退職金のいくらかを事業に充てても創業融資は受けるべき!
【理由】
事業が軌道に乗らず収入が途絶えることになっても、5年間は生活できるお金は残す必要があります。
最低でも3年は稼ぎがなくてもなんとかなるくらいの蓄えは必要です。
20代や30代ならば稼ぎがない期間が仮に長くてもリカバリーする時間は残されています。
50代ですから、だんだん体力の衰えも出てくるため、蓄えは多いほうが安心ですよね。
そうすると、融資はいくらか必要になるのです。
借金というと響きは良くないですが、贅沢品やブランド品を買うのではなく、お金のなる木を買う借金です。
特に不動産業を始める場合、宅建業の免許取得費、法律で定められている弁済金を預ける、事務所開設など、初期費用がかなりかさみます。
しかし、「退職金があるから、融資を受けなくてもいいんじゃないの?」
と融資担当者に言われました。
28年間働いて得た退職金をすべて事業に突っ込む勇気はありませんでした。
そのうえ、「あなたはこの事業の経験者ではないから融資は無理です」と言われて落ち込んでいました。
経験豊富なパートナーの存在があっても未経験経営者には融資できないと判断されたのです。
1度融資を断られてもあきらめない!
【融資を断られた後の行動】
自治体の経営相談、商工会議所の経営サポート窓口に相談したところ、自治体の融資制度に申請することとしました。
最初に融資を申請した時と同じ書類を提出したところ、承認されたのです。
しかも女性経営者だと金利が0.2%低くなるというものでした。
それぞれの機関の判断基準が違うので、1度断られてもあきらめずに融資の申し込みをするべきだと実感しました。
大阪府で起業をお考えの方はこちらを参考にしてください。
☆中小企業向け融資制度大阪府制度融資 開業サポート資金・地域支援ネットワーク型https://www.sansokan.jp/kinyu/
起業後は、個人の口座にお金があるのも大事ですが、ビジネスの口座にちゃんとお金が残っているかもチェック!
お金を貯め込むだけではなく先行投資し、うまくお金を使いながら利益を得ていく…
お金に強い女性起業家になりましょう。
人脈、大丈夫?
次に「人」です。ここでは人脈づくりのことについて説明します。
事業として行っているサービスや商品をどのように知ってもらうか考えておかなければなりません。
まずはSNSや自社ホームページは思い浮かぶでしょう。
しかし、「私」という実物を直接知ってもらうことも必要です。
それが異業種交流会。
今はコロナ禍でZoom等によるリモートでの開催が多くなっています。
異業種交流会に行く、良質なコミュニティに属する
これは起業する前にどの交流会やコミュニティがいいか、自分のスタイルに合うか、情報収集をしておきましょう。
事前収集をしておくと軌道に乗ったときにすぐに動けるからです。
もし、コミュニティに属してこれは違うなと思えば辞めればいいのです。
嫌な思いをして参加するとどんどんストレスが溜まり、経営者として意思決定力、決断力が鈍るからです。
以前勤めていた同僚から上司、部下、取引先に挨拶状を書く
円満に退職できたとは言え、以前の職場へ自分の商品やサービスを売りつけることになるのでは、と少しためらうかもしれませんね。
私もそうでした。
ここで、書く内容ですが、自分の商品を買って!サービス受けて!というものではなく、相手が何を望んでいるのか、喜ぶことは何かを考え「何かお役に立つことがあればぜひ」というスタンスで書いてみましょう。
【これは大切!】
商売はよく「損して得を取る」いいます。
私は実はこの言葉を起業してから初めて聞きました。
これはなるほど、と思った言葉です。
経営のサイクルは簡単に、
お金を使う→サービス提供、商品販売→収益
起業するにあたって、事務所、パソコン、電話、会計ソフト、コピー機など必要なものを用意するためにはお金がかかります。
これを「損」とします。
ここで損をし、販売するにはホームページでお知らせする、異業種交流会に行く、とにかく知ってもらう行動を起こします。
ここでも「損」をします。
上手に集客できるとようやく商品・サービスを買ってもらって初めてここでお金が入り、「得」をするということになります。
知ってもらう、信用を得るためにはお金を使わなければならない場合もあります。
人間は損をしたくない生き物ですが、自分の利益だけを考えず「この方の助けになるのは何だろう」「興味をもっていることはなんだろう」をしっかりと考えることです。
私はこれができていませんでした。
交流会ではただ名刺を配って、自分のことばかり話をしていました。
1年半、実績が全く出ませんでした。
ここで「損して得を取る」の言葉に出会い、信用を得るためにまずは無料で差し上げたり、情報提供をしました。
そして、「この方は何で困っているのか、どうしてほしいのか」を探るため、相手の話をしっかり耳を傾け、自分の話をすることを辞めて相手の話を聞くことに徹しました。
即、売上げにつながることはありませんが、この行為が信頼となり、積み上がり、半年経ったころには私のところに何名か紹介してくださることとなったのです。
さいごに
きちんと準備をして計画を立てる人、全く準備もせずいきなり走り出してしまう人もいます。
準備しなくてもうまくいっている人もいれば、準備していても苦労している人もいます。
どちらが正解というわけではないですが、私は準備をして失敗する方がダメージが少ないのではないかと考えています。
完璧な準備は要りません。完璧にできることはないです。だって、起業するのは初めてですから。
6割程度の準備でOKです。
起業前に準備する行動は次のとおりです。
情報収集→やらなければならないことを整理→書き出す→期日を決めて実践→実践したら消込をする
そうすると達成感が味わえます。難しいことではありませんよね。
色々チャレンジして、失敗を繰り返し、試行錯誤しながら自分の正解を見つけていきましょう。