引きこもりの子どもに自分の意見、気持ちを正直に伝えたいけれど、どのように伝えたらよいか、伝えることによって関係性がギクシャクしないかと悩んだ方も少なくないと思います。
実際私も何も意識せずに自分の気持ちを伝えたことで事態が深刻になったことが幾度とあります。
そして、子どもにこう言われました。
「お母さんは自分の言いたいことばかり言っている」と。
胸にグサッと刺さりました。
確かに子どもの話を「聴いていなかった」のです。
自分の気持ちを伝える前には「聴く」ことが重要だということに気づいたのです。
「そんなの当たり前」のことかもしれませんが、子どもをなんとか引きこもりの状態から脱出させたいとの焦りから当然のことを当然と感じることすらできなかったのです。
そこで、今回は、まずは伝え方よりも「聴き方」のポイント5つをお伝えします。
このポイントを意識して実践するだけです。
意識するのがとても重要です。
そして簡単!明日どころか今日から実践できます。
これを何度も実践することで子どもが変わってくるのです。
実体験に基づくお話ですのでぜひ参考にしてください。
ポイント 感嘆詞を使う+相槌を打つ
感動、驚き、強調などの感情を表わす言葉を使ってみましょう。
「へぇー」「うわぁ」「まぁ」「おぉ」「あら」「ほー」「わー」「そうなんだー」などたくさんあります。
感情を込めて言葉にしましょう。
少し語尾を伸ばすとよいでしょう。
いくら聞いていても声に出さないと聞いているとは認識してもらえません。
声を発することで思いが伝わります、深まります。
これに「相槌を打つ」と何よりも話しやすく、一気に話してくれることになります。
ポイント 共感する
文字通り「共に感じる」ことです。
悲しいこと、辛かったことを一緒に感じてあげることです。
子どもが言った言葉に、
「わかるよ」「なるほど、そうなのね」「辛かったね」→(静かに)
「よく頑張ったね!」→(少し声を張って)
と感じて、言ってうなずくのです。
誰でも共感してもらうと嬉しいですし、ちゃんと聞いてもらえている!という感情が湧き出てきます。
ポイント オウム返しをする
子どもが言った言葉を繰り返します。
「〇〇って〇〇さんから言われて傷ついたの」→「〇〇さんから〇〇と言われて辛かったんだね」
「周りと比較して〇〇ができていないから、なじめない」→「ほかの人と比べて、〇〇ができてないから、仲間の輪に入りづらいんだね」
こうして進めていくと、だんだん話を深堀していけるのです。
ポイント 賞賛して全力承認
子どもの今までの頑張ってきたこと、良かった行動、絶対ありましたよね。
思い出してください。
それを話題に取り上げ、子どもを褒めてあげてください。
そしてできなかったことや、誰かと比べて少し違うなと感じても、子どもの存在を認め、受け止め、伝えることです。
「あなたはあなたのままでいいのよ」とギュッと抱きしめてみてください。
思春期の男の子は嫌がるかもしれませんが、反抗期であった息子に対し、一度ポイント1~4までを意識しながら実践した時に、恐れながらも後ろからギュッとすると息子は涙を浮かべて「ごめん」と一言。
こちらも涙が出てきました。
息子は引きこもり歴7年でしたが、現在社会人となり、もう4年が経過しています。
人は褒められ、認められることで安心感を持ち、自分自身をより肯定する気持ちが生まれます。
安心感を持つと、次の目標へ向けてポジティブな行動を起こすことができるようになりますし、自己肯定感が増すことで、モチベーションを高めることもできます。
ポイント 体を子どもに向けて聴く
子どもが話しかけてきたら手を止めて、体を子どもに向けて聴きましょう。
顔だけ子どもに向けるのではなく、おなかを子どもに向けるのです!
そして「目」を見てじっくり聴きましょう。
子どもから話しかけてくるなんてめったにないことかもしれません。
子どもの気持ちを聴けるチャンス!
このチャンスを逃さないで!
どうしても話が聞けない場合は、その理由と何時ならきちんと聴けるからと必ず約束をしましょう。
まとめ
このポイントを抑えるとこちらが聞きたいことが聞け、無理なく自然と話が広がっていきます。
まずは「聴き方」のテクニックを身に付けましょう。
伝え方ではなく聴き方です。伝えたい気持ちは分かりますが、まずは聞き方を学びましょう。
考え方を少し変えるだけで効果は劇的に変わります。
多くの方は「伝えよう」として失敗しています。
「伝える」ことばかりを考えると、子どものことを考えずに自分の意思を押し通すエゴになってしまうのです。
「答えはいつも相手の中にある」そう意識して実践してみましょう。
聴き方は才能ではなくスキルです。誰でもできます。
以上、参考になればうれしいです。